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 大竹真 の『 こちら現場です!!』
                オフィシャルメールマガジン

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<<もくじ>>-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

1. あいさつ
2. 独自目線のニュース
3. リポーターノウハウ
4. コミュニケーション能力が向上(するはず)
5. Q&Aコーナー

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■ あいさつ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この仕事に就いて現在14年目に突入しました。何でもやらなければ
日々使ってもらえなかったので、これまで必死にやってきました。
その結果、どんなジャンルの現場でも対応できるようになったと思
います。タイプで言うと、オールラウンドプレーヤーという事に
なります。しかし今後は、大竹真といえばこれだ!!というものを
確立して行きたいと考えています。ある分野において、誰にも負け
ないものを持つという事はリポーターにとって重要だと思います。
この機会に自分を再発見したいと考えています。



■ 独自目線のニュース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このコーナーでは印象に残った取材を書こうと思います。
現場でどう行動し、何を感じ、どう伝えたのかを知ってもらいたい
と思います。

第1回目は「しずちゃん、目指せ!ロンドン五輪in台湾」です。
9月8日から台湾で行われ、しずちゃんも出場したアマチュアボクシン
グの大会。9つの国や地域から代表選手が集まり、しずちゃんが初の
公式戦出場ということで注目されました。そしてそれは突然、僕の目
に飛び込んできました。試合会場に入ると多くのカメラがある一点を
向いていました。目をやると、その先には険悪なムードの二人がいた
のです。しずちゃんとトレーナーの梅津さんでした。

 この日しずちゃんの試合は夜からで、他の選手の応援のために朝か
ら試合会場に来ていました。試合が有る無しに関係なく選手達は皆
グローブと練習着を持って来ていました。ところが、しずちゃんは
それを持ってこなかったのです。その意識の低さに梅津トレーナーは
激怒したのです。ただ、これまでのしずちゃんであれば素直に頭を下
げていたはずが、この時の彼女はどこか反抗的な目をしていました。

 明らかにふてくされていたのです。二人の亀裂が見えてしまった
瞬間でした。結局この日、初の公式戦は大差でしずちゃんの敗北に
終わりました。

 次の日の夜、他の番組のディレクター達と一緒にしずちゃんと台湾
の鍋料理を食べに行きました。そこでわかった事は、これまで二人三
脚でやってきた梅津トレーナーとの間には徐々にずれが生じていたと
いう事でした。二人の距離があまりにも近すぎたのです。練習の取り
組み方など考え方の違いが浮き彫りになってきたと感じました。二人
のあの異様な雰囲気はお互いの小さな不満がぶつかりあったものだっ
たのです。

 実は別の日の夜、スッキリのディレクターに梅津トレーナーが
「もう離れるしかないかもしれない」と吐露したそうです。それだけ
この時は溝が深かったのです。

 スッキリでは台湾から帰ってきた翌日に試合の模様を放送しました。
台湾へ向かう直前の合宿の様子や、弱点の分析などを織り交ぜ、試合
に臨む二人の姿を中心にVTRをまとめました。無事放送が終わりほっと
した翌日、僕はスッキリの真裏でライバルでもある、とくダネの放送
を見て思わず「やられたっ!!」と声が出てしまいました。その理由は、
とくダネはずっと前からしずちゃんと梅津トレーナーとの間の微妙な
ずれに気がついていて、そこに焦点をあてて放送していたからです。

 とくダネは前日に試合の様子を短く放送し、翌日に独自目線の長尺
のVTRを充ててきたのでした。つまり、とくダネの中川さん(女性)と
いうディレクターは以前から二人の関係がぎくしゃくしてきている事
をいち早く察知し、これまでの密着取材でも二人の関係が垣間見える
部分にカメラを向けていたのです。VTRは試合会場で二人の亀裂が見え
てしまったシーンまでの物語がしっかり描けていました。我々も含め
どの番組も梅津トレーナーの激怒の様子は流しましたが、とくダネ
(中川さん)の独自目線に「やられたっ!!」のでした。

 ちなみにその後二人は話し合い、改めて二人で五輪を目指して行く
そうです。しずちゃんが五輪出場を決めれば僕もロンドンに取材に行
く事ができるので、僕のためにもぜひ頑張ってもらいたいのです(笑)。



■ リポーターノウハウ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 取材力、行動力、精神力、体力、忍耐力、コミュニケーション能力
(物事を聞く能力と引き出す能力)、洞察力、粘り強さ、探究心など
など、この仕事をしていて必要だなと感じた思いつく限りのものを
挙げてみました。

 どんな仕事にも必要だとは思いますが、これらを兼ね備えている
リポーターは生き残っている気がします。確かにどう頑張っても身に
つかない能力はたくさんあります。でも努力すれば身につくものも
あります。そもそも、見知らぬ人になんのとまどいもなく声をかける
事が出来る人はマスコミの仕事に向いていると思います。度胸が無く
てはこの仕事はできません。

 ところが、当時僕はほとんど素人で、経験も度胸もありませんでし
た。しかし、そんな僕にリポーターとしての基礎を教えてくれたもの
がありました。

 それは街頭インタビュー(街録)です。街録というのはアンケート
取材みたいなもので何か一つの議題に関してどう思うかなど、例えば
新橋や銀座などで道行く人に聞いて回る事を言います。リポーターの
基礎を養う仕事と言っても過言ではないこの街録は本当にためになり
ました。なぜなら冒頭に挙げたほとんどの要素を含んでいるからです。

 まず最初の声かけという行動力。嫌がらずに話をしてくれそうな人
を見極める洞察力。話をしてくれる人を何人も見つけ出すまでの精神
的タフさと粘り強さと体力。(声をかけても立ち止まってくれるとは
限らない!)そして、相手にわかり易く聞いて的を得た話しを引き出
すという、仕事におけるコミュニケーション能力。(相手は暇ではな
い!スムーズで端的に!)といった、細かい事を挙げたらまだまだあ
りますが、リポーターのスキルを高めるにはもってこいなのです。

 単純なようでこの街録が一番つらいと僕自身は思っています。まさ
にリポーターにとっての修行です。今でも時折、この修行が舞い込ん
できます(笑)



■ コミュニケーション能力が向上(するはず) ━━━━━━━━━

 さて、修行(街録)は僕のコミュニケーション能力を向上させたの
だろうか?日常生活のコミュニケーション能力が高いか低いかは、妻
や友人などに聞いてみないと分かりませんが、仕事でのそれはかなり
身に付いたのではないかと思っています。

 僕はこのコミュニケーション能力は、仕事で言えばインタビューが
上手いか下手かに置き換える事が出来ると思います。ちなみにコミュ
ニケーションを辞書で調べたら、情報が送り手から受け手に伝わる事。
意思疎通。様々な手段で物事(情報など)を伝え合うとありました。

 つまり、コミュニケーションは会話の基本なんです。ということは
インタビューとは、簡単にに言うと会話なのです。会話は知り合いで
あれば当然はずみますし、スムーズに進みます。だからインタビュー
では、いかに普段の会話の雰囲気を作り出す事が出来るかが勝負なの
です。実は、ここからがさらに大事な事があります。

 それはインタビューの組み立てです。基本的な流れは前もってシュ
ミレーションしておきますが、カメラがまわったら実際はどうなるか
分かりません。瞬時にどのような展開に持って行くか会話の中で判断
しなくてはなりません。それが出来るようになるのが街録であると僕
は思うのです。こんな事を書いておきながら実際にインタビューが終
わった後は反省と後悔ばかりですけどね。



■ Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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